その2 POSシステム

日本IBM のサイトには、「POS の歴史もまた、IBM によってつくられてきました」とかかれ
 ています。
 実際にどれ位のシェアを持っているのかはわかりませんが、確かに店先で IBM の POS
 ターミナルを見るのはたまにあることです。
 過去からこの分野にも結構力を入れてきたようで、その証拠にMCAのPS/55でも、POS
 用のアダプターが存在しました。
 パソコンショップなんかの店頭で、 POSターミナルになっている5530を見かけられた方
 も多いと思います。

 (2017.04.09 追記)
 2012年 IBM は POS事業を東芝テックに売却しました。

 ここでは手持ちの資料の一部にあった、マルチステーション世代のPOSシステムについ
 て見ていきたいと思います。

 4680ストア・システム
 4692POSワークステーション

モデル名 標準価格 CPU
速度
メモリ
(最大)
ディスク ディスケット フォント、表示色 スロット その他
4681-A01 2,034,000
i80286
8
2.6MB

20 5.25 2HCx1 24ドット・モノ 6? 5561-G08ベース
価格はPOS端末とのセット
4681-B02 不明 i80286
8?
2.6MB

40 5.25 2HCx1 24ドット・モノ 6? 5561-J09ベース?
4681-B03 不明 i80286
10?
2.6MB
13.6MB
40 5.25 2HCx1 24ドット・モノ 6? 5561-M09ベース?
4681-C03 不明 i80286
10
2.6MB
13.6MB
70 5.25 2HCx1 24ドット・モノ 6? 5561-M0Aベース 
4692-D01
不明 i80286 不明
不明 24ドット・モノ? 4?

4692-L01
不明 i80286
10
1MB
13MB?

3.5 2HDx2
24ドット・モノ 4
5541-M12ベース
4692-M01
不明 i80286
10
1MB
13MB?
30
3.5 2HDx1
24ドット・モノ 4
5541-M19ベース
4692-T05
不明 i80286 不明
不明 24ドット・モノ? 4?

4692-T06
不明 i80286 不明
不明 24ドット・モノ? 4?


 ・各モデルについて(2017.04.09 追記)
  手持ちのカタログ、IBMから発表された情報とWEB上で見つけた情報より機種を掲載しています。

  4681-A01についてはWEB上で写真と価格を見ることができます。
  4692の3機種についてはモデル名以外の情報はわかっていません。
  韓国で4692というPOSが販売されていたらしい情報はありますが、
  このマルチステーションベースの機種と同一なのかはわかっていません。


 4680ストア・システム

4680の画像

 
画像をご覧いただけば おわかりのように、POSターミナル端末とコントローラとしてのマル
 チステーションを組み合わせたシステムです。
 ただし使用されるのは通常のマルチステーションではなくて、4681ストア制御装置の名
 称がつけられている専用の機械です。

4680のネットワーク

 上の図がシステムの構成図となりますが、特徴としてループ型のトポロジーを持っている
 ということと、制御装置が2台あってバックアップが自動的にとられる、ということが挙げ
 られます。

 ネットワークはストア・ループと呼ばれるもので、速度は 38.4K BPS となっています。

 制御装置間は常に同期処理がとられ、1台に障害が発生したとしても、残りの1台で正
 常に稼動でき、回復時には自動回復処理によって自動的に同期が取り直されるように
 なっています。
 尚、ターミナルとしてPS/55が接続できるとなっていますが、どのようなアダプターとソフト
 が必要だったのかはわかりません。


 
4681ストア制御装置
  外見はそのままマルチステーションです。
  おそらくは5560が原型になっていると思われます。

  (2017.04.09 追記)
  下記のソフトウェアで追加した説明のとおり、OSが80286を使用した機種限定に
  なってしまうので5560が原型になっているようです。

ストア制御装置
主記憶容量   2.6MB(A01/B02 型)
           2.6〜13.6MB(B03型/C03型)
ディスケット    1.2MB
ハードディスク  20MB(A01型)
           40MB(B02/B03型)
           70MB(C03型)
ストア・ループ・アダプター(最大2)
転送速度     38.4K BPS
端末装置接続  最大64台/ストア・ループ
           (IBM4682、4692、PS/55)
ホスト通信アダプター(SDLC)
             (BSC)
転送速度     9,600 BPS
転送速度     2,400 BPS
制御装置間通信アダプター
転送速度     187.5K BPS
制御装置間通信ケーブル
ケーブル長    3.0m
非同期通信アダプター
(RS-232Cインターフェース)
転送速度     2,400 BPS
キーボード
5556−001/P01
多項目入力キーボード(4681用)
10キー      11個
機能キー     61個
アイテム・キー    160個/ページ
ページ数     20ページ
ページ選択キー 20個
ディスプレイ
5555−B01/B05/B06
プリンター
PS/55接続可能プリンター

  多項目入力キーボードとは、タッチ式のキーボードに商品名や単価を登録して、ワン
  タッチで入力できるようになっているキーボードです。

 ソフトウェア
  4680ストア・オペレーティング・システム
   マルチタスク機能を持つ、専用のオペレーティングシステムということです。

   (2017.04.09 追記)
   ディジタルリサーチのマルチタスク・リアルタイムOSである「Concurrent DOS 286」が
   元になっているようです。
   MS-DOS との争いに負けた CP/M-86 がマルチタスクの コンカレントCP/M となり、
   その80286版でプロテクトモードで実行されるため8086では実行できません。

  4680ストアBASIC
  4680ストア・システム 事務処理プログラム
  4680ストア・システム 食品・雑貨販売処理プログラム
  4680ストア・システム 衣料販売処理プログラム
  4680POS基本パッケージ
  4680POS基本パッケージ マルチ・コントローラー・サポート

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 4692POSワークステーション

4692の画像

 上の写真を見ただけでは画面が大きいPOSターミナル位にしか思えませんが、「ワーク
 ステーション」の名前があらわすように、それだけの機械ではありません。
 では何かといいますと、「パソコンとしても使用できる」POSターミナルです。
 (ちなみに現在ではPentium4が載ってWindowsが走る機種もあるようです。)

 (2017.04.09 追記)
 現在では Linux が走っている機種も珍しくなくなり、さらにはPOSターミナルではなく
 スマートフォンなどでソフトを動作させてPOS代わりにするといったところも増えています。

 カタログに掲載されているハードウェアの仕様とソフトウェアは、以下のとおりです。

 基本装置
主記憶容量
1MB(主記憶容量640KB+バンク・メモ リー 384KB)
記憶保持機構
32KB(うち4KB合計保持用)
3.5"FDD
(720KB/1.44MB)
最大2個
モデルL01  2個
モデルM01 1個
3.5"HDD(30MB)
最大1個
モデルL01  0個
モデルM01 1個
オプション・スロット
4個
POSキーボード
10キー          11個
システム制御キー    2個
機能キー         72個(内4個はダブルサイズ)
(機能はプログラム指定) 
操作員用ディスプレイ
9インチ・モノクロームCRTディスプレイ
表示密度    24x24ドット
表示文字数  80x25行(最大)
文字セット   日本語DOSに準じる(グラフィック・モード可)
表示色     イエロー・グリーン
レシート/
ジャーナルプリンター
印字密度        9x7ドット、 9x15ドット (漢字、ダブルサイズ)
印刷速度        180行/分 両方向印刷t
印刷文字数       24文字/行(認証印刷 53文字/行)
文字セット        英・数・カナ   160種(シングル・ダブル)
              漢字       720種(ダブル)
              ユーザー定義 128種
レシート/ジャーナル  45mm巾、80mm巾
レシート・カット     フル/パーシャル、ストア・ロゴ・スタンプ
磁気ストライプ読取機構
(MSR)
POSキーボードに標準組込
JIS I、JIS II 規格、両面同時読取
キャッシュ・ドロアー
コイン6種、紙幣4種 錠付
RS-232C/422通信
(非同期)
転送速度  50〜9600bps
ポート    1種

 オプション
PCキーボード
5556-001/P01
プリンター
IBM 5575-B02/F02
IBM 5572-B02
バーコード・スキャナー
読取コード  EAN/JAN 13桁
         UPC          A/E
         NW7
顧客用ディスプレイ
緑色蛍光管表示 5x7ドット
表示文字数    16文字x1行(英数・カナ)
ストア・ループ・アダプター
転送速度           38.4Kbps
サテライトPOS接続台数 最大16台
クレジット・コミュニケーション・カード
転送速度 1200bps
SDLC/BSC通信アダプター(同期)
転送速度 50bps〜9600bps
非同期TTLインターフェース・カード
転送速度(スタート・ストップ方式) 最大 9600bps
トークン・リング・ネットワーク・アダプター

4MBメモリー・カード

3274コントローラー・アダプター


 ソフトウェア
  日本語DOSK3.4
  ストア・システム・サービス・プログラム
  ストア・ループ・サービス・プログラム
  ストア・システム・ホスト通信支援プログラム
  IBM4692 POSワークステーション支援プログラム
  ストア・ループ・アダプター支援プログラム
  クレジット・コミュニケーション・カード支援プログラム

  PCアプリケーション
   各種言語、簡易ソフト、ワードプロセッサー、オンライン・通信 等

  POSアプリケーション(例)
   IBM4692POSワークステーション基本アプリケーションプログラム
   ベンサム小売業標準POSソフトウェア・パッケージ:ベンサム/POS
   専門店経営情報システム:ARMS-POS(販売管理、店舗管理)
   顧客情報管理システム:FACEONE-POS(販売管理、店舗管理)

 ハードウェアの特徴としましては、やはり「れっきとしたパソコン」であるということにつきる
 と思います。
 ただしCPUの速度がわからないので、ベースがどの機種かということがわかりません。

 (2017.04.09 追記)
 冷静にスペックを見たら5541−M1型であることは明らかなのですが、最近まで気が
 つかなかった管理人でした・・・。

 9インチという画面であるにもかかわらず、24ドット表示というがすごいと思えると同時に、
 あきれ返ってしまえるとも思います。
 ちなみにパソコンとして使用する際に、キーボードで迷わないように上にかぶせるカバー
 がついていたようです。
 とはいっても配列が全く異なるので、普通の配列になれているとかなり苦労しそうです。

キーボード・オーバーレイ

 また各種オプションがつけられるので、通常のパソコンとして使用する分には全く困らな
 いようになっています。
 通信系のオプションが比較的多いのは、やはりPOSターミナルであるというのが大きいと
 思います。
 オプションをつけた写真を見ると、POSターミナルの形をしたパソコンであるというのが
 納得させられます。

4692とオプションの画像

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