オペレーティング・システム

 マルチステーションのOSとしては、基本的には2種類ありました。
 厳密に言うと、他にも 3種類以上存在します。

 OSの種類は以下のとおりになります。
  日本語DOS/BASICインタープリター
  IBMオペレーティング・システム/2

  文書プログラム
  3270漢字エミュレータ
  5250漢字エミュレータ

  下の3種類は、OSを使用せずにソフト自身でシステムを起動しましたので、ソフトの内部
  にOSの機能を持っているといえます(他にもあるかもしれませんが詳細はわかりません)。


 日本語DOS/BASICインタープリター
  いわゆる「KDOS」と言われる、日本語版のDOSです。
  後のJDOSとは違い英語モードがありませんので、単純なPC−DOSの日本語化版とは
  言えない可能性もありますが詳細はわかりません。
  ソフトのフォントをメモリーに展開し、グラフィック画面に表示するという現在のDOS/V
  と同じ仕組みのためにDOSに漢字フォントのファイルが含まれていました。

  ・バージョン
    2.0から始まり、最終は3.4でした。
    バージョンによってサポートするモデルやハード、ソフトが違いました。

  ・フォント
    24ドットと16ドットのモデルに合わせて、2種類ありました。
    5530、5535用は別にありました。
    漢字ROMが入っていないモデルのために、最後までJIS第1水準のフォントを含んで
    いました。
    JIS第2水準、IBM指定漢字については別売のソフトを使用しました。
    5535用についてはフォントは含まれていないようです。

  ・BASICインタープリター
    BASICインタープリターを内蔵していました。
    おそらくMS−BASIC系のものだと思われます。
    (プログラムの領域が合計64KBまで、ラベルが使えない等より)

  ・ハード・ディスク
    一区画32MBまでの制限がありました。
    そのため40MB以上のディスクだと区画を分割する必要がありました。

  ・特殊なバージョン
    英語、ハングル、中国(簡体中文)、台湾(繁体中文)の各バージョンが存在しました。
    英語版が存在するのは、IBM PCとのハードの互換性がなかったからと思われます。


日本語DOSの機能拡張一覧
バージョン
機     能
ハードウェアのサポート
K2.0
○ タイマー機能
○ 日本語入出力
○ 5550での処理
○ ディスケット・ドライブ
K2.1
○ 16色カラー
○ 文字/行ピッチの変更
○ 720KBディスケットの使用
○ グラフィック・モードでの縦2倍、横2倍の
  拡大印刷
○ 熟語辞書の使用
○ 8.1MB ハードディスク
○ 3型/4型鍵盤
K2.2
○ ローマ字入力
○ 日本語3270PCの稼動
○ 漢字フォント・カード
K2.3
○ 64色中16色の720x512ドット・カラー・
  グラフィックス
○ グラフィック・カーソル
○ 文字発生機構(フォント24)
  内蔵のプリンター
○ マウス
○ P1型鍵盤
K2.4
○ 64色中16色の1024x768ドット・カラー・
  グラフィックス
○ 10MB、20MBハードディスク
K2.5
○ プリンター用装置駆動ルーチンの分離
○ 装置駆動ルーチンによるカラー印刷の使用
○ 5563-H02 型印刷装置
K2.6
○ 仮想ディスク
○ 論理ディスク
○ 1200KBディスケット・ドライブの使用
○ カラー文字での文字色指定
○ 5561-G08/H08 システム装置
K2.7
○ (連)文節変換機能
○ 新 IBM日本語文字セットの使用
○ 仮想ディスクの拡張
○ グラフィックス支援カードおよび画面記憶拡
  張カードのデバイス・ドライバー機能
○ 5541/5551/5561
  システム装置 - J/K
○ 3.5 型ディスケット装置
○ 拡張辞書カード(文節変換用)
○ あいうえお鍵盤
○ 3118-010 型スキャナー/
  3118-020 型スキャナー
○ 6392-K01 型スキャナー
K3.2
○ MS-NETWORKSを使用したトークン・リング・
  ネットワーク方式のローカル・エリア・ネット
  ワークの構築
○ (連)文節変換ルーチンをバンク1/2で使
  用可能
○ 光ディスク装置
○ ハンド・イメージ・スキャナー
○ トークン・リング・
  ネットワーク・アダプター
K3.3
○ メモリー・バンク域、仮想ディスク域の拡張に
  よる最大16MBメモリー使用
○ 5530,5535,
  5541/5551/5561
  システム装置M/P
K3.4
○ ローマ字入力時の数字入力の簡素化

日本語DOSの製品一覧
プログラム名
プログラム番号
使用料金
対応機種
日本語DOS/BASICインタープリター/
フォント16
(JIS第一水準文字セット)
 日本語DOS(バージョン K2.20)
 BASIC   (バージョン K1.00)
5600-JBP
30,000
5540 D/E
5550 A/C/D/E
 日本語DOS(バージョン K2.60)
 BASIC   (バージョン K2.10)
5600-JBD
40,000
5540 D/E
5550 A/C/D/E
 日本語DOS(バージョン K2.70)
 BASIC   (バージョン K2.10)
5600-JBD
40,000
5540 E
5550 D/E
 日本語DOS(バージョン K3.20)
 BASIC   (バージョン K3.20)
5600-JBC
40,000
5540 E
5550 D/E
 日本語DOS(バージョン K3.3)
5605-JZN
40,000
5535
 日本語DOS(バージョン K3.4)
5605-JZN
40,000
5535
日本語DOS/BASICインタープリター/
フォント24
(JIS第一水準文字セット)
 日本語DOS(バージョン K2.20)
 BASIC   (バージョン K1.00)
5600-JYP
30,000
5540 B/J/K
5550 B/G/H/J/K
5560 G/H/J/K
 日本語DOS(バージョン K2.60)
 BASIC   (バージョン K2.10)
5600-JYD
40,000
5540 B/J/K
5550 B/G/H/J/K
5560 G/H/J/K
 日本語DOS(バージョン K2.70)
 BASIC   (バージョン K2.10)
5600-JYD
40,000
5540/5550/5560 J/K
 日本語DOS(バージョン K3.30)
 BASIC   (バージョン K3.30)
5600-JYC
40,000
5540/5550/5560 J/K
5550/5560 M/P
 日本語DOS(バージョン K3.30)
 BASIC   (バージョン K3.30)
5605-JYN
40,000
5530 G/H
5540 M/P
 日本語DOS(バージョン K3.4)
5600-JYC
40,000
5540/5550/5560 J/K
5550/5560 M/P
 日本語DOS(バージョン K3.4)
5605-JYN
40,000
5530 G/H
5540 M/P
英語DOS/BASICインタープリター・
フォント16/24
 英語DOS(バージョン 2.10) 
 BASIC (バージョン 1.00)
5600-250
47,000
5550 BU
 英語DOS(バージョン 2.40) 
 BASIC (バージョン 2.10)
5600-250
47,000
5540 B/E
5550 D/E/G/H
 英語DOS(バージョン 2.60) 
 BASIC (バージョン 2.10)
5600-271
60,000
5540 B/E
5550 D/E/G/H
5560 G/H
漢字DOS/BASICインタープリター
(中国漢字フォント24用)
 漢字DOS(バージョン P2.4) 
5600-362
47,000
5540 B
5550 GU/G/H
漢字DOS/BASICインタープリター
(中国漢字フォント24用)
 漢字DOS(バージョン P2.6) 
5600-383
47,000
5540 B
5550 GU/G/H
5560 G/H
漢字DOS/BASICインタープリター
(台湾地区フォント24用)
 漢字DOS(バージョン T2.6) 
5600-TYP
47,000
5540 B
5550 GU/G/H
5560 G/H
ハングルDOS/BASICインタープリター
(フォント24用)
 漢字DOS(バージョン H2.6) 
5600-KYP
47,000
5540 B
5550 GU/G/H

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 IBMオペレーティング・システム/2
  いわゆる「OS/2」、すなわちIBMがPC−DOSに変わる次世代OSとして、マイクロソ
  フトと共同開発したシングルユーザー・マルチタスクOSです。
  アメリカでは、MCAを搭載した新しいシリーズであるPS/2用の新世代のOSとして発
  表されました。
  この時点で日本で発表されたMCA機は5570のみのため、マルチステーション用として
  も発売されました。

  16ビット版の 1.x は i80286 のプロテクトモードを使用しました。
  2.0 で32ビット化して、最新版は 4.5 となっています。

  マルチステーションで使用できたバージョンは 1.0 と 1.1 です。
  IBMとしてはDOSからOS/2への移行を促したかったのですが、当時の状況として
   i80286 の処理能力の不足と、必須であるハードのメモリーとディスクが非常に高価だっ
  たために結局ほとんど普及はしませんでした。

  ・メモリー
   16MBまで使用できました。
   最低は一応2MBとなっていますが、実際にはもっと必要としました。

  ・画面
   1.0では全画面の切り替え、1.1でGUIであるプレゼンテーション・マネージャーを搭
   載しました。
   2.0以降はワークプレース・シェルに変わっています。

  ・ディスク
   ファイルシステムは、HPFSを搭載したのが 1.2 以降のため、FATだけです。
   正確にはわかりませんが、DOSと共通だとすると一区画32MBまでとなります。

   「導入ガイド」では、5570の場合は自動的に32MBの区画が設定されるとあります
   ので、1.0、1.1の時点ではおそらく32MBまでと思われます(2003.3.7)。

  ・DOS互換ボックス
   1MB以下の領域を使用して、DOSのソフトを1本走らせることができました。
   i80286 の制限のため、複数本を同時に走らせることはできませんでした。
   ただし完全な互換性がなかったのが、ユーザーがOS/2への移行をためらう原因の
   一つにもなりました。

  ・基本版と拡張版
   IBM独自の区分で、拡張版にはコミュニケーション・マネージャー(SNAの接続)、
   データベース・マネージャー(RDBMS、現在のDB2にあたる)が追加されました。
   他社製品のOS/2には拡張版は存在しませんでした。

  ・バージョン1.0について (2003.3.7)
    「IBM オペレーティング・システム/2 関連ソフトウェア 導入ガイド」(1988年4月、第一版)
   によりますとディスケット8枚組、最低必要な区画の大きさは7MBとなっています。
   現在からしてみますと意外と小さく感じられるものですが、この時点でのKDOSが
   2DDディスケット2枚組であることを考えますと、ずいぶんと容量が必要であるとい
   う印象があったと思います。

    ディスケットの内容
     導入用ディスケット  A、B
     OS/2ディスケット その1〜その6

OS/2の製品一覧
プログラム名
プログラム番号
標準価格
対応機種
IBMオペレーティング・システム/2
バージョン J1.0
5600-PAC
75,000
5540 J/K
5550 J/K M/P
5560 J/K M/P
IBMオペレーティング・システム/2
バージョン J1.0
5605-PCC
75,000
5540 M/P
IBMオペレーティング・システム/2
基本版バージョン J1.1
5600-PDC
75,000
5540 J/K
5550 J/K M/P
5560 J/K M/P
IBMオペレーティング・システム/2
基本版バージョン J1.1
5605-PFC
75,000
5540 M/P
IBMオペレーティング・システム/2
拡張版バージョン J1.1
5600-PBE
120,000
5550 M/P
5560 M/P

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