画像の拡張
スキャンした画像を、拡張したい場合があります。MagicScanでは、画像にハイライトやシャドーを設定したり、画像カーブを調整したり、画像をニュートラル化したり、反転させたり、画像のカラーバランスを変更したりするなど、スキャンした画像を変更するための効果機能がいくつか用意されています。 画像の拡張は、 4つの機能からなります。これらの機能は、タブ付きのダイアログボックスの中にまとめられています。これらの機能にアクセスするには、ダイアログの最上部にあるタブをクリックし、その機能に関連したダイアログボックスを表示します。各ダイアログボックスの最上部には、小さなオリジナル画像と小さな拡張された画像 (サンプル1と2)が表示されます。これらの小さなサンプルを見ると、フル画像処理を行わなくても、プレビュー画像に行った変更の効果が分かります。オリジナルは、プレビューされた画像を小さく表示したものであり、「サンプル1と 2」は、拡張後の画像を小さく表示したものです。「サンプル1 と 2」では、拡張した2つの画像を比較できます。必要な画像を選択するには、目的とするサンプルをクリックしてから、さらに[OK]をクリックして、選択を最終確定します。各機能について、以下に説明します。知りたい機能を選択し、マウスをクリックしてください。対応する情報が表示されるので、画像にどのような効果があるかが分かります。 |
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レベル調整]ダイアログボックスでは、画像内の明度の分散状況を表示します。ヒストグラムのプロットを調整するには、水平方向のバーの下にある三角形のハンドルを目的の値までドラッグします。すると、左の(黒い)ハンドルコントロールボタンがシャドーレベルにまで変化します。右の(白い)ハンドルコントロールボタンが、ハイライトレベルにまで変化します。中央の(グレー)のハンドルコントロールボタンは、ミッドトーンレベルにまで変化します。シャドーポイントおよびハイライトポイントをさまざまに変化させることによって、画像の相対的な影とハイライトを変化させることができます。シャドーポイントは最も暗い値を、ハイライトポイントは、最も明るい値を表わします。ミッドトーンポイントは、特定の画面のガンマ設定値を表わします。ヒストグラムでは、シャドースケールとハイライトスケールは、
255の単位に分割されます。従って、オリジナルに含まれる全ピクセルのうち、現在のシャドーポイントよりも暗いものは、拡張された画像では完全に黒で表現されます。逆に、オリジナルに含まれる全ピクセルのうち、現在のハイライトポイントよりも明るいものは、拡張された画像では完全に白で表現されます。
ハイライトポイントを
200に設定すると、オリジナルに含まれるピクセルのうち、200以上のものはすべて、拡張された画像では完全に白になります。同様に、シャドーポイントを200に設定すると、オリジナルに含まれるピクセルのうち、200以下のものはすべて、拡張された画像では完全に黒になります。.ミッドトーンとは、使用しているモニタのガンマを表わす相対的な尺度です。ミッドトーンのスケールは、
0から255です。ガンマカーブは等比級数に従います。つまり、255の値で、無限大になります。ミッドトーンは、シャドーおよびハイライトの条件に拘束され、それらの値を超えることはありえません。従って、シャドーが0およびハイライトが255に設定されている場合、ガンマ1は、ミッドトーン128に相当します。同様に、シャドーが200、およびハイライトが220に設定されている場合、ガンマ1は、ミッドトーン210に相当します。.注
: グレースケールの画像タイプを使用している場合、ダイアログボックスには、RGBの読み取りは表示されません。ヒストグラムのプロットを変化させた際の効果を単一の色に限定したい場合は、
[赤(R)]、 [緑(G)]、 または[青(B)]のいずれかのチャネルボタンを選択します。ヒストグラムプロット上の変化を3チャネルすべてに適用する場合は、[Master]チャネルを選択します。
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オリジナル |
サンプル 1 |
サンプル 2 |
変更を受け入れ、
[拡張]ダイアログボックスを閉じる場合は、[OK]をクリックします。変更をすべて破棄し、同ダイアログボックスを閉じるには、[取消し]ボタンをクリックします。ソフトウェアに適切なハイライトおよびシャドー調整を行わせる場合は、[自動]ボタンをクリックします。タブ付きの
[拡張]ダイアログボックスから[色調マップ]タブを選択します。[
色調マップ]を使用しても、画像のハイライト、ミッドトーン、シャドーの各レベルを調整することができます。[色調マップ]ダイアログボックスを開くと、対角線上に直線が描かれた色調マップが現れます。このデフォルト色調マップ上のすべての点は、シャドー、ミッドトーン、ハイライトに関して、その出力明度レベルと入力明度レベルが同じです。色調マップの形状と傾きは、入力となるオリジナル画像と出力となる画像データにおける明度レベルの比率を表わします。色調マップの線をクリックすると、「手」の形をしたカーソルが現れ、色調マップの線の形状を変化させるようにドラッグすることができます。水兵軸は、オリジナルの入力明度を、垂直軸は、拡張された明度を表わします。どちらのスケール値の範囲も、
0から255です。このカーブを変形し、元の対角線を突き出る凸型にした場合、拡張される画像は、オリジナルより明るくなります。
通常の画像 |
明るくなった画像 |
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逆に、カーブを変形し、元の対角線からより下がった凹型にした場合、拡張された画像は、オリジナルのものより暗くなります。
通常の画像 |
暗くした画像 |
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画像の色調補正
(色調反転)では、各色の反対色が使用されます。例えば、赤の補色は、シアンです。これは、白い画像から赤をとると、緑と青が残り、緑と青を混ぜると、シアンになるからです。この他の色についても、同様な仕組みになります。カーブレベルの両端を図で示すような形状にするためには、各マッピングカーブの終端付近でさらにハンドルを使用しました。色調マップの拡張効果は、プレビュー画像に表示されます。カーブのミッドトーンのあたりがゆるやかに下に垂れているので、画像のミッドトーンの範囲では写真のネガの効果が出ます。さらにハンドルを使用すると、さらに複雑なカーブが描けます。
:このボタンは、
[Manual Control]を選択した場合のみ使用できます。ときとして、スキャンした画像に望ましくない色が付いていることがあります。これを修正するために、[Neutralization]ボタンをクリックします。これによって、カラー調整ホイール([カラー調整]のカラーホイールと同様)が起動されます。サンプル
1またはサンプル2上のプレビュー画像から、グレースケールまたは黒および白のピクセルを選択し、ドロッパカーソルを使用してピクセルをクリックします。すると、画像全体がオリジナル画像に回復され、画像についている色が消えます。このツールでは、カラースキャンした画像ではなく、通常、グレースケール、黒および白のピクセルが標準値です。このような方法で画像を修正できます。このオプションを使用すると、特定の色の彩度または濃度によって色の分散をコントロールできます。
ダイアログボックスでは、ホイール上に連続するカラースペクトルが表示されます。ホイール上の特定の領域をクリックすると、「サンプル
1」が変化し、特定の色相が分散します。このオプションを使用すると、カラーの画像内の色の混合を変化させることができます。また、特定の色を強調したり、不要な色を消したりすることができます。
ダイアログボックス内の
[シャドー]、[ハイライト]、[ミッドトーン]のいずれかのチェックボックスを選択すると、カラーバランスを3つの明度レベルで変更することができます。カラーバー上の3つの三角形のスライダを使用すると、3色(RGB)チャネルのうち、1つまたはいくつかのカラーバランスを調整することができます。この機能は、オリジナルの各色がその補色に置換されるように、すべての色調値を反転させます。これと同様な効果は、画像の色調を反転させる
[色調マップ]でも得られます。
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通常の画像 |
反転させた画像 |