アーキテクチャ

 ・登場時の機種とIBM PCとの比較


マルチステーション
IBM PC
CPU
i8086 8MHz
i8088 4.77MHz
メモリ
最小 256KB
最大 512KB
最小 16KB
最大 256KB
ディスケット
2DD 640KB
1〜3ドライブ
2D 360KB
なし〜2ドライブ
画面表示
日本語表示
別売 MDA,CGA etc
画面解像度
1024x768(24ドット)
720x512(16ドット)
640x200 etc
パラレルポート
内蔵
別売
シリアルポート
別売
別売
OS
日本語DOS

PC-DOS
CP/M-86
UCSD p-system

  IBM PCの登場後より数年たっているということもありますが、全体的に能力の向
  上が図られています。
  特に、24ドットで日本語を表示するための高解像度が特徴的です。
  アメリカのIBMでVGAの次の高解像度規格を開発するときに、マルチステーション
  の解像度を採用したというのは有名な話です。
  16ドット版の解像度は、JXの拡張表示モードでも採用されました。


 ・日本語表示の仕組み
  基本的にはハード上では漢字のフォントを持たず、ソフトよりフォントをメモリー
  に展開して表示
します。
  ディスケットが1ドライブのみでハードディスクもない機械の場合は、フォントを置いて
  おくにも容量的に場所がないので、本体内に別売の漢字フォント・カードを内蔵する
  必要があります。
  漢字フォント・カードは途中の機種より漢字ROMとなり、標準で搭載されるようになり
  ました。

  その後のDOS/Vに通じるものがありますが、グラフィック画面上で漢字を表示さ
  せるのはすでに三菱電機のMulti−16で採用されていましたので、当時としても別
  に珍しい方法ではなかったようです。
  CPUの処理速度が遅かったのとメモリーが少なかったので、漢字フォント・カードを
  装着しないときは表示速度はかなり遅かったと思われます。


 ・バス、インターフェース等
  IBM PCやその後のMCAとも全く違う、独自のバスを採用しています。
  そのためアダプター類の互換性は完全にありません
  ディスプレイ、キーボードにつきましても独自のもので互換性はありません。
  パラレルインターフェースも36ピンの大きなコネクターで、MCA機との互換性はあ
  りません。
  シリアルインターフェースは最初は別売りで、後の機種で内蔵されました。


  アダプターカードの例
5250ワークステーション・アダプター
   5250ワークステーション・アダプター
    注、このアダプターは2スロット使用する旧型のタイプです。


  インターフェース
インターフェース
   左 ディスプレイ    右 キーボード
      (モノクローム)


 ・自己診断機能
  現在のパソコンは、全て起動時にハードウェアのチェックを自動的に行いますが、マ
  ルチステーションにも自己診断機能が内蔵されていました。
  MCA機で言うところのPOSTとリファレンス・診断ディスケットの機能として、BAT
  (Basic Assurance Test)と、RNA(Resident Nom Automatic)テ ストの2種類がありま
  した。

  BATはシステム・ユニットの電源の投入時に自動的に実行されました。
  電源を入れると「IBM」のロゴとともに、数字が表示され、その数字がカウントされます。
  その数字が上がりきって診断が終了しますと、続いてプログラムを読み込みました。

  5540のマニュアルには、エラーコードの意味として次のような例があります。
  これ以上は残念ながら資料がありません。
   ・数字が1つだけ       システム・ユニットに異常がある
   ・1XXX、3XXX、CXXX   システム・ユニットに異常がある
   ・A111             キーボード・ケーブルが外れている
                    キーボード・ケーブルに異常がある
   ・A112、A1D1        どれかの装置に異常がある
   ・鍵のマークが表示される  安全保護錠がロックされている
                    システム・ユニットに異常がある
   ・FFF2             テスト・スイッチが「テスト」になっている
   ・F0XX             メモリーの異常又は不足
   ・FXXX             使用しているプログラムに問題がある
                    異常な割込みがあった。

  RNAテストはシステム・ユニットの背面にある「テスト・スイッチ」をテスト側にしたと
  きだけ
起動するようになっていました。
  起動しましたらメニューより診断する項目を選択して、ハードウェアの各部のテストを
  行うようになっていました。

RNAテストの機能(5540M/Pのマニュアルより)
テスト番号
テスト内容

 ディスケット・ドライブにダンプ用のディスケットを入れると、記憶機 構の
 内容をそのディスケットに書き込みます。

 ディスケット・ドライブ1にシステム・ディスケットまたは診断ディスケットを
 入れると、オプション・カードなどのテストを行うことができます。

 文字属性表示(高輝度、反転、点滅など)

 グラフィックス・モード表示

 APA(All Point Addressable)のテスト

 ディスケット・ドライブ1のテスト

 ディスケット・ドライブ2のテスト

 リチウム電池によって働くメモリーのテスト
 (メモリーの内容には影響ありません)
10
 プリンター折り返しテスト
11
 データ印刷テスト
12
 BAT始動
13
 メモリー・テスト
14
 フォントROMテスト

  ご覧になればわかりますように、番号が飛んでいる部分があります。
  箱型の5550なら「6」番が「ディスケット・ドライブ3のテスト」になっていたのではないか、
  逆に14番はフォントROMが標準で入っていないモデルでは存在しないのではないか、
  などと想像できます。

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